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化粧品を購入するとき、容量はどのように選んでいますか?「いつも同じサイズを買っている」「とりあえず大きいほうがお得だと思って選んでいる」という方も多いのではないでしょうか。しかし、自分のライフスタイルや使用頻度に合った適切な容量を選ぶことは、コスパを上げるだけでなく、化粧品を最適な状態で使い切るためにも重要です。
本記事では、化粧品の容量に関する基本知識から、選び方のポイント、種類別の適切な容量の目安まで詳しく解説します。さらに、旅行時の持ち運びに関する情報も盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてください。
化粧品容量とは?基本知識と表示ルール

化粧品の容量とは、その名の通り化粧品の中身の量のことです。容器や包装材料を含まない正味量を指し、多くの場合、「g(グラム)」や「mL(ミリリットル)」の単位で表示されています。時には個数で表示されることもあります。
化粧品の容量表示の基本
化粧品の容量表示は、日本の法律(薬機法)および公正競争規約によって厳格に定められています。内容量が10g(グラム)または10mL(ミリリットル)を超える化粧品は、容量を表示する義務があります。表示場所は、化粧品が直接入っている容器または包装(直接の被包)に行う必要があります。
容量表示は、容器の形状やデザインによって見つけにくいこともありますが、多くの場合、製品の底面や側面、パッケージの裏面に記載されています。記載方法については、以下のルールに従って表示されます。
- 内容重量は「g」または「グラム」で表示
- 内容体積は「mL」または「ミリリットル」で表示
- 内容数量は個数などの単位で表示
mLとgの違いと使い分け
化粧品の容量表示で見かける「mL」と「g」。この違いは何でしょうか?実は、化粧品の物性(粘度)によって使い分けられています。
基本的には、粘度が10,000センチポイズ未満の液状のものは「mL(ミリリットル)」、粘度が10,000センチポイズ以上のクリーム状や固形のものは「g(グラム)」を使用します。センチポイズとは粘度を表す単位で、水が1センチポイズ、オリーブオイルが約100センチポイズと言われています。
具体的には以下のように使い分けられています:
製品タイプ | 表示単位 | 例 |
化粧水、乳液、オイル | mL (ミリリットル) | 化粧水150mL |
クリーム、ジェル、固形製品 | g (グラム) | フェイスクリーム50g |
「水のようにサラサラしている」製品は「mL」、「とろみがある」「固形」の製品は「g」と覚えておくと良いでしょう。
化粧品容器と内容量の関係

化粧品を手に取ったとき、「容器が大きいのに中身が少ない」と感じたことはありませんか?実は、化粧品の容器と内容量の関係にも厳格なルールが存在します。
容器の容積と内容量の割合(40%ルール)
化粧品の適正包装規則によれば、容器の外容積に対する内容物体積の割合は40%以上でなければなりません。つまり、容器の大きさに対して内容量が少なすぎる「過大包装」は禁止されているのです。これは消費者が「容器が大きいから中身もたくさん入っている」と誤解することを防ぐためです。
ただし、例外も存在します。以下の場合は30%以上とすることが許可されています:
- プレス製法またはプレスアンドブロウ製法によるガラス製容器
- 成型技術上二重成型が必要なプラスチック容器(内容量が40g以下のもの)
- 容器の形態上肉厚となることがやむを得ないもの(特殊な形状の香水瓶など)
これらのルールにより、化粧品メーカーは過度に大きな容器を使用することができません。
内容量表示の誤差許容範囲
化粧品の内容量には、製造過程での誤差が生じることがあります。そのため、公正競争規約では誤差の許容範囲が定められています。
通常の化粧品の場合、表示量と実際の内容量の誤差は、マイナス3%以内に収める必要があります。例えば、100mLと表示されている化粧水は、実際の内容量が97mL以上であれば問題ないということです。
一方、内容量が10g/mL以下の小容量化粧品の場合は、10個の内容量の平均値が表示量の-3%を超えてはならず、かつ個々の製品の誤差はマイナス9%以内とされています。これは、少量であるため充填の際の誤差が相対的に大きくなりやすいことを考慮した規定です。
小容量化粧品の特別ルール
内容量が10g/mL以下の「小容量化粧品」には、いくつかの特別なルールが適用されています。
- 内容量表示の省略が可能 小容量化粧品は、内容量表示を省略することができます。ただし、表示する場合には上記の誤差規定に従う必要があります。
- サンプル品の表示 見本品として配布される小容量化粧品も同様に表示を省略できますが、「見本品」「試供品」などの表示が必要です。
- 内容数量の表示 内容数量が6以下で、包装を開かずに容易に数がわかる場合(例:口紅セット)は、内容数量表示を省略できます。
これらの特別ルールは、小さな容器に多くの情報を詰め込む必要がないよう配慮されたものです。
化粧品の容量選びのポイント

適切な容量の化粧品を選ぶことは、無駄なく効率的に使うために重要です。以下では、容量選びに役立つポイントを解説します。
使用頻度と使用期間から選ぶ
化粧品の適切な容量を選ぶ際の一番の基準は、あなたの使用頻度と希望する使用期間です。以下の式で計算してみましょう:
必要な容量 = 1回の使用量 × 1日の使用回数 × 使用したい日数
例えば、1回に2mLの化粧水を1日2回(朝・晩)使用し、1か月(30日)持たせたい場合: 2mL × 2回 × 30日 = 120mL
このように計算すると、約120mLの化粧水が必要ということになります。実際に販売されている120mLの化粧水も、1か月分として販売されていることが多いです。
また、化粧品の開封後の使用期限も考慮する必要があります。一般的に、基礎化粧品の使用期限は開封後6か月〜1年程度と言われています。使用期限内に使い切れる容量を選ぶことが大切です。
1回あたりの使用量と容量の関係
化粧品の1回あたりの使用量を正確に把握することも、適切な容量選びのカギとなります。以下に、主な化粧品の1回あたりの一般的な使用量の目安を示します:
製品タイプ | 1回の使用量目安 | 表現方法 | おおよその量 |
化粧水 | 500円玉大 | 500円玉大 | 約5mL |
乳液 | 10円玉大 | 10円玉大 | 約2.5mL |
美容液(サラッとしたタイプ) | 100円玉大 | 100円玉大 | 約2.5mL |
美容液(とろみのあるタイプ) | 小豆大2〜3粒 | 小豆大2〜3粒 | 約1mL |
クリーム | パール大 | パール大 | 約1.5g |
クレンジング(ジェル・クリーム) | さくらんぼ大 | さくらんぼ大 | 約2.5g |
洗顔料 | チューブから1cm程度 | – | 約2g |
これらの使用量は目安であり、肌質や季節、製品の特性によって調整する必要があります。乾燥肌の方や冬場は多めに、脂性肌の方や夏場は少なめにするといった工夫も大切です。
コスパを考慮した容量選び
化粧品のコスパ(コストパフォーマンス)を考える際には、単純に「大容量=お得」とは限りません。以下のポイントを考慮しましょう:
- 単位あたりの価格を比較する 100mLあたり、あるいは1gあたりの価格を計算して比較することで、どの容量が最もコスパが良いか判断できます。多くの場合、容量が大きくなるほど単位あたりの価格は安くなります。
例:
- 化粧水100mL:2,000円(20円/mL)
- 化粧水150mL:2,700円(18円/mL)
- 化粧水200mL:3,600円(18円/mL)
- 使い切れる量かどうかを考える 開封後の使用期限内に使い切れる量であるかを考慮しましょう。使用期限を過ぎても使い続けると、品質劣化や雑菌の繁殖のリスクが高まります。
- トライアルサイズの活用 新しい製品を試す場合は、まずトライアルサイズやミニサイズから始めると良いでしょう。肌に合わない場合のリスクを最小限に抑えられます。
化粧品の種類別・適切な容量の目安

化粧品の種類によって、適切な容量や使い切りの目安は異なります。ここでは、主な化粧品の種類別に適切な容量の目安を紹介します。
スキンケア製品(化粧水・美容液・クリーム)
スキンケア製品は毎日使用することが多く、適切な容量選びが特に重要です。
化粧水
- 標準的な容量:120mL、150mL、200mL、500mL
- 使用期間の目安:
- 120mL:約1か月(毎日朝晩使用の場合)
- 150mL:約38日(毎日朝晩使用の場合)
- 500mL:約4か月(毎日朝晩使用の場合)
美容液
- 標準的な容量:30mL、50mL、100mL
- 使用期間の目安:
- 30mL:約1か月(毎日朝晩使用の場合)
- 50mL:約50日(毎日朝晩使用の場合)
クリーム
- 標準的な容量:30g、50g、100g
- 使用期間の目安:
- 30g:約1〜2か月(毎日朝晩使用の場合)
- 50g:約2〜3か月(毎日朝晩使用の場合)
スキンケア製品は開封後の品質変化が起こりやすいため、3か月以内に使い切れる容量を選ぶと良いでしょう。特に美容成分が豊富な美容液は、酸化や変質のリスクが高いため、小さめの容量を選ぶのがおすすめです。
メイク製品(ファンデーション・アイシャドウなど)
メイク製品は使用頻度や使用量がスキンケア製品と異なることが多く、それに合わせた容量選びが必要です。
リキッドファンデーション
- 標準的な容量:25mL、30mL、35mL
- 使用期間の目安:約3〜4か月(毎日使用の場合)
パウダーファンデーション/フェイスパウダー
- 標準的な容量:8g〜12g
- 使用期間の目安:約3〜6か月(毎日使用の場合)
アイシャドウ
- 標準的な容量:単色で2g〜5g、パレットタイプで合計5g〜15g
- 使用期間の目安:6か月〜1年以上(使用頻度による)
リップ製品
- 標準的な容量:3g〜5g
- 使用期間の目安:3〜6か月(頻繁に使用する場合)
メイク製品は衛生面も考慮する必要があります。特に目元や唇に使用する製品は、細菌汚染のリスクが高いため、開封後6か月程度での使い切りを目安にすると良いでしょう。
ヘアケア・ボディケア製品
ヘアケアやボディケア製品は、使用する部位が広いため、一般的にスキンケア製品よりも大容量のものが多く販売されています。
シャンプー・コンディショナー
- 標準的な容量:300mL、400mL、500mL、1000mL
- 使用期間の目安:
- 300mL:約1〜2か月(毎日使用、髪の長さによる)
- 500mL:約2〜3か月(毎日使用、髪の長さによる)
ボディソープ・ボディローション
- 標準的な容量:300mL、400mL、500mL、1000mL
- 使用期間の目安:
- 300mL:約1か月(毎日使用の場合)
- 500mL:約2か月(毎日使用の場合)
ハンドクリーム
- 標準的な容量:30g、50g、75g
- 使用期間の目安:
- 30g:約1〜2か月(使用頻度による)
- 75g:約3〜4か月(使用頻度による)
ヘアケアやボディケア製品は、家族で共有する場合も多いため、そのライフスタイルに合わせた容量選びが重要です。また、詰め替え用の製品を選ぶことでコスト削減と環境負荷の軽減につながります。
旅行・持ち運びと化粧品容量

旅行や外出時の化粧品の持ち運びでは、容量制限や利便性を考慮する必要があります。特に飛行機に乗る場合は、厳格なルールが存在します。
飛行機への持ち込み制限と容量
飛行機に化粧品を持ち込む場合、国内線と国際線で異なるルールが適用されます。
国内線の場合
- 液体の化粧品は1容器あたり500mL(0.5L)または500g以下
- 1人あたり合計2000mL(2L)または2kg以下まで持ち込み可能
- 化粧水、乳液、香水、ヘアスプレーなどが対象
国際線の場合
- 液体・ジェル・エアゾール類は100mL以下の容器に入れる必要がある
- それらを1L以下の透明な再封可能なプラスチック袋(ジップロックなど)に入れる
- 1人につき1袋のみ持ち込み可能
- 免税店で購入した液体物は別途持ち込み可能な場合がある(購入証明が必要)
国際線では特に厳しい制限があるため、100mL以下の小容量の製品を用意するか、預け荷物に入れることをおすすめします。
旅行におすすめの化粧品容量
旅行期間や目的地に合わせた化粧品の容量選びが重要です。以下に、旅行期間別の推奨容量を示します:
1〜3泊の短期旅行
- 化粧水:30mL〜50mL
- 乳液/美容液:10mL〜15mL
- クリーム:5g〜10g
- シャンプー/コンディショナー:各30mL〜50mL
- ボディソープ:30mL〜50mL
4〜7泊の中期旅行
- 化粧水:50mL〜100mL
- 乳液/美容液:15mL〜30mL
- クリーム:10g〜20g
- シャンプー/コンディショナー:各50mL〜100mL
- ボディソープ:50mL〜100mL
旅行時は、普段使っている製品の使用量を把握しておくことが重要です。例えば、3泊4日の旅行では、化粧水は朝晩で合計6回使用するため、1回あたり3mLなら合計18mL必要になります。余裕をもって20〜30mL程度用意すると安心です。
トラベルサイズの活用法
トラベルサイズの化粧品は、旅行時に大変便利です。以下に、トラベルサイズ化粧品の活用法を紹介します:
- メーカー製トラベルサイズの利用 多くの化粧品ブランドが、人気製品のトラベルサイズを販売しています。これらは通常、100mL以下で国際線持ち込みにも対応しています。
- 詰め替え容器の活用 専用の詰め替え容器に普段使っている化粧品を入れる方法も便利です。100mL以下の詰め替え容器セットが多く販売されており、繰り返し使用できるためエコにもなります。
- サンプル品の活用 化粧品の購入時に付いてくるサンプルやトライアルキットを旅行用に取っておくのも良い方法です。1回分ずつ小分けになっているものは特に便利です。
- トラベルセットの購入 旅行専用の化粧品セットも多く販売されています。ブランドによっては、人気製品をミニサイズでセットにした商品を提供していることもあります。
旅行用の化粧品は、使い切れる量を持っていくことがポイントです。帰りの荷物を軽くするためにも、ジャストサイズの容量を選ぶことをおすすめします。
まとめ
化粧品の適切な容量選びは、自分の使用頻度と期間に基づいて計算し、製品タイプごとに異なる適量を理解することが重要です。開封後の使用期限内に使い切れる量を選ぶことでコスパも向上し、特に旅行時には容量制限にも注意が必要です。容量表示のルールを理解し、自分のライフスタイルに合った選択をすることで、化粧品を最適な状態で活用できるでしょう。
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