化粧品容器のプラスチック素材を徹底比較!種類や材質ごとの特徴を紹介 

化粧品を選ぶとき、多くの人が色や成分に注目しますが、その「容器」にも重要な役割があることをご存知でしょうか。特に、現在主流となっているプラスチック製の容器は、私たちのビューティーライフを陰で支える立役者です。

軽くて持ち運びやすく、多様なデザインを実現できるプラスチック容器は、化粧品にとって欠かせない存在となっています。

この記事では、化粧品に使われるプラスチック容器の種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットから、環境問題に対応する最新の動向まで、詳しく解説していきます。 

なぜ化粧品にはプラスチック容器が使われるのか? 

なぜ化粧品にはプラスチック容器が使われるのか? 

化粧品の容器は、単に中身を入れるための箱ではありません。消費者の手元に届き、最後まで使い切るまでの品質を保ち、ブランドの世界観を伝えるという多様な役割を担っています。その中でもプラスチックは、その優れた特性から多くの化粧品容器に採用されています。 

中身の品質を保護する重要な役割 

化粧品は非常にデリケートな成分で構成されており、光(紫外線)や酸素、温度変化によって品質が劣化しやすいものです。プラスチック容器は、こうした外部の刺激から中身を保護する上で重要な役割を果たします。

素材の選定や容器の構造を工夫することで、化粧品が持つ効果や鮮度を長期間維持することが可能になります。 

使いやすさと安全性を高める工夫 

毎日のように使う化粧品だからこそ、容器の使いやすさは非常に重要です。プラスチックは軽量で、落としても割れにくいという特性があり、日々の使用や持ち運びにおけるストレスを軽減してくれます。

また、キャップの開け閉めのしやすさや、化粧水を一滴ずつ出せる中栓、クリームを指ですくいやすい広口のジャータイプなど、中身の特性や使用シーンに合わせて形状を最適化できるのもプラスチックならではの利点です。 

多様なデザインを実現する加工のしやすさ 

プラスチックは加工が容易なため、ブランドのイメージを表現する上で非常に有効な素材です。透明なボトルで中身の瑞々しさを伝えたり、不透明な容器で高級感を演出したりと、色や形、質感を自由に設計できます。

製品の顔とも言える容器デザインの自由度の高さは、消費者の購買意欲を刺激する上でも大きなメリットと言えるでしょう。 

役割 具体的な内容 プラスチック素材の貢献 
品質保護 光(紫外線)、酸素、温度変化など外部刺激からの保護 遮光性や気密性を高める素材選定が可能 
利便性・安全性 軽量性、耐衝撃性、使用シーンに合わせた形状 軽くて割れにくく、多様な形状に加工できる 
デザイン性 ブランドイメージの表現、魅力的な外観 透明、不透明、着色など加工の自由度が高い 

化粧品容器の材質の種類 

化粧品容器の材質の種類 

化粧品容器を選ぶ際には、内容物との相性、求める機能性、そしてブランドイメージを考慮して、最適な材質を見極めることが非常に重要です。

ここでは、化粧品容器に頻繁に使用される代表的な材質とその特徴を詳しく解説します。 

PET(ポリエチレンテレフタレート) 

PETは非常に高い透明性と光沢を持ち、ガラスのような高級感を演出できるのが最大の特長です。耐衝撃性とガスバリア性にも優れており、化粧水や乳液、美容液など、幅広い種類の化粧品に対応できます。

また、清涼飲料の容器として広く知られている通り、リサイクルの仕組みが社会的に確立されているため、サステナビリティを重視するブランドにとって魅力的な選択肢です。 

PP(ポリプロピレン) 

PPは、耐薬品性に優れ、特に油分やアルコールへの耐性が高い材質です。 また、繰り返し折り曲げる力に強い「ヒンジ特性」を持つため、コンパクトケースやジャー容器の蓋など、開閉が必要な部分によく利用されます。

熱にも比較的強いため、様々な形状に成形しやすく、キャップやポンプ、スプレーといった細かな部品にも採用されることが多い、非常に汎用性の高い材質と言えるでしょう。 

PE(ポリエチレン) 

PEは、世界で最も生産されているプラスチックであり、柔らかく加工しやすいのが特徴です。 その柔軟性を活かし、中身を押し出して使うチューブ容器や、詰め替え用のパウチ(軟包材)などに広く使用されています。

非常に軽量で耐衝撃性にも優れており、コストパフォーマンスの高さから、シャンプーやボディソープといった大容量のボトルにも適しています。 

その他のプラスチック素材(ASABS樹脂など) 

上記の他にも、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂)やABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)なども化粧品容器に利用されます。AS樹脂は透明度と硬度が高く、コンパクトケースの蓋などに使われます。

ABS樹脂は光沢があり、耐衝撃性にも優れているため、高級感を出したい製品のキャップや容器本体に使われることがあります。 

ガラス 

ガラス容器は、その重厚感と美しい透明度から、高級化粧品ブランドで長年愛されてきました。手に取った時のひんやりとした感触や重みが、製品そのものへの期待感を高めてくれます。化学的に非常に安定した素材であるため、内容物の成分に影響を与えることがほとんどなく、香りや品質を長期間保つことに優れています。

また、ガスバリア性が極めて高いため、酸素による製品の劣化を防ぎたいデリケートな美容液やクリーム、香水などに最適です。 

アルミニウム 

アルミニウムは、非常に軽量でありながら、光を完全に遮断する優れた遮光性を持つ金属です。光によって劣化しやすいビタミンC誘導体などを配合した製品の品質を守るのに非常に適しています。

また、リサイクル率が非常に高いエコ素材である点も、近年のサステナビリティへの関心の高まりから再評価されています。ハンドクリームやヘアワックスなどで見られるチューブ状の容器は、中身を押し出すと元に戻らないため空気に触れにくく、最後まで衛生的に使い切れるという利点もあります。 

プラスチック容器のメリット 

プラスチック容器のメリット 

化粧品にプラスチック容器が多く採用されるのには、ガラスや金属といった他の素材にはない明確なメリットがあるからです。

ここでは、消費者と製造者の両方にとっての利点を解説します。 

軽くて持ち運びに便利 

プラスチック容器最大のメリットは、その軽さです。ガラス容器に比べて大幅に軽量なため、化粧ポーチに入れて毎日持ち歩いたり、旅行に持って行ったりする際の負担が少なくなります。 この携帯性の高さは、現代のライフスタイルにおいて非常に大きな価値を持っています。 

衝撃に強く割れにくい 

ガラス容器の場合、うっかり落としてしまうと割れてしまい、中身が無駄になるだけでなく、破片で怪我をする危険性もあります。

一方、プラスチック容器は衝撃に強く、非常に割れにくい素材です。 洗面所などの水回りや、お子様やペットがいるご家庭でも、比較的安心して使用することができます。 

大量生産に適しており安価 

プラスチックは成形がしやすいため、金型を使えば同じ形の容器を短時間で大量に生産することが可能です。これにより、容器一つあたりの製造コストを抑えることができます。

容器のコストが下がれば、製品全体の価格を抑えることにも繋がり、消費者にとってもメリットとなります。 

メリット 具体的な利点 主な関連素材 
軽量性 持ち運びが容易で、携帯性に優れる PET, PP, PE 
耐衝撃性 落下させても割れにくく、安全性が高い PET, PP, PE 
生産性 大量生産が可能で、コストを抑えられる 全般 

環境に配慮したサステナブルなプラスチック容器の最新動向 

近年、プラスチックごみによる環境問題への関心が高まる中、化粧品業界でもサステナビリティを意識した容器開発が急速に進んでいます。美しさを追求する産業だからこそ、地球環境への配慮は不可欠なテーマとなっているのです。 

リサイクル素材を活用した再生PET樹脂 

使用済みのペットボトルをリサイクルして作られる「再生PET樹脂」は、サステナブルな容器の代表格です。 新たな石油資源を使わずに容器を製造できるため、CO2排出量の削減に繋がります。

技術の向上により、石油から作られる新品のPET樹脂と比べても遜色のない品質や透明度を実現できるようになっており、多くのブランドで採用が広がっています。 

植物由来のバイオマスプラスチック 

サトウキビやトウモロコシといった植物由来の資源から作られるのが「バイオマスプラスチック」です。植物が成長過程でCO2を吸収するため、焼却しても大気中のCO2を増やさない「カーボンニュートラル」という考え方に基づいています。

石油資源への依存を減らすことができる、環境に優しい素材として注目されています。 

付け替え可能なリフィル容器の普及 

容器本体は繰り返し使い、中身だけを交換する「リフィル(付け替え)方式」も、プラスチックの使用量を削減する有効な手段です。

消費者は2回目以降、より安価に製品を購入できるメリットがあり、企業は廃棄物削減に貢献できます。クリームやファンデーション、シャンプーなど、様々な製品でリフィル対応が進んでいます。 

まとめ 

まとめ

化粧品のプラスチック容器は、単なる入れ物ではなく、品質保持、利便性、デザイン性といった多様な役割を担う重要な存在です。

PETやPPといった素材ごとの特徴を理解し、環境に配慮したサステナブルな視点を持つことで、これからの化粧品選びがより一層深いものになるでしょう。この記事が、あなたの賢い製品選びの一助となれば幸いです。 

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