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自社ブランドの化粧品を作りたいと考えたとき、OEMは非常に有効な手段です。しかし、「OEMで化粧品を作ったのに、全く売れない」という声も少なくありません。
多大な時間とコストをかけて開発した商品が売れなければ、事業の存続にも関わります。なぜ、そのような事態に陥ってしまうのでしょうか。
この記事では、化粧品OEMが売れないと言われる失敗原因を徹底的に分析し、売れる商品を作るために必要な準備や具体的な進め方を解説します。
化粧品OEMが売れないと言われる6つの失敗原因

化粧品OEMで商品が売れないのには、必ず理由があります。多くのケースで共通しているのは、商品開発の初期段階での準備不足や、戦略の欠如です。
ここでは、多くの企業が陥りがちな6つの失敗原因について詳しく解説します。
原因1:市場調査と競合分析が不十分
「市場で人気の商品と似たものを作れば売れるだろう」という安易な考えは、失敗の元です。消費者のニーズやトレンドは常に変化しており、すでに市場で確固たる地位を築いている競合と同じ土俵で戦うのは非常に困難です。
事前に市場の規模、トレンド、競合商品の強み・弱みなどを徹底的に調査し、自社商品が参入する「勝ち目のある市場」を見極める必要があります。
| 調査項目 | 具体的な内容 |
| 市場規模・成長性 | ターゲットとするカテゴリの市場は拡大しているか、縮小しているか |
| トレンド | 最近人気の成分、コンセプト、デザイン、訴求方法は何か |
| 競合分析 | 主要な競合商品は何か、価格帯、強み・弱み、販売戦略はどうか |
| 消費者ニーズ | ターゲット層はどんな悩みを持ち、何を商品に求めているか |
原因2:ターゲット設定が曖昧
「20代~30代の女性向け」といった大まかなターゲット設定では、商品の魅力が誰にも響きません。ターゲットが曖昧だと、商品のコンセプトやデザイン、価格設定、プロモーションの全てが中途半端になり、結果として誰の心にも刺さらない商品になってしまいます。
年齢や性別だけでなく、ライフスタイル、価値観、肌の悩みなど、具体的な人物像(ペルソナ)を設定することが重要です。
原因3:商品のコンセプトが弱く差別化できていない
市場に溢れる化粧品の中から自社の商品を選んでもらうためには、「この商品でなければならない理由」を明確に提示する必要があります。他社製品との違いが曖昧で、独自性のない商品は、数多くの競合商品の中に埋もれてしまいます。
「こだわりの美容成分を配合している」「独自の技術を採用している」といった強みを、ターゲットが魅力的に感じる「価値」に変換し、分かりやすいコンセプトとして打ち出すことが不可欠です。
原因4:ターゲットに響かないパッケージデザイン
どれだけ優れた商品でも、手に取ってもらえなければ意味がありません。パッケージは「商品の顔」であり、消費者が最初に目にする重要な要素です。商品のコンセプトやターゲット層の好みに合わないデザインでは、購買意欲を掻き立てることはできません。
例えば、高級志向のターゲットに向けた商品なのに安っぽく見えるデザインだったり、ナチュラル志向のブランドなのに派手すぎるデザインだったりすると、ミスマッチが起こります。
原因5:マーケティング戦略が不足している
素晴らしい商品を開発しても、その存在が知られなければ売上には繋がりません。商品を「誰に」「どこで」「どのように」知ってもらうかというマーケティング戦略がなければ、商品は消費者に届きません。
SNSの活用、Web広告、インフルエンサーマーケティング、プレスリリースなど、ターゲット層に合わせた情報発信の方法を計画的に実行していく必要があります。
原因6:OEMメーカーの選定を誤っている
OEMメーカーは、商品開発における重要なパートナーです。メーカーによって得意な分野(スキンケア、メイクアップなど)や技術力、対応可能なロット数、サポート体制は大きく異なります。
自社が作りたい商品のコンセプトや品質を実現できる技術力を持っているか、事業規模に合ったロット数で製造可能かなどを見極めずに選んでしまうと、理想の商品が作れないばかりか、無駄なコストが発生する原因にもなります。
売れる化粧品OEMを実現するための5つのステップ

化粧品OEMの失敗原因を理解した上で、次は成功に向けた具体的なステップに進みましょう。売れる商品を生み出すためには、感覚に頼るのではなく、戦略に基づいた計画的なアプローチが不可欠です。
ここでは、商品企画から発売後の改善まで、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:徹底した市場調査でニーズを把握する
最初のステップは、市場を深く理解することです。公的な統計データや調査レポート、SNS上の口コミ、店舗での販売状況などを多角的に分析し、消費者が今何を求めているのか、市場にどんなチャンスがあるのかを明らかにします。
この段階で、競合の動向を把握し、自社が狙うべきポジションを明確にすることが、後のステップの精度を高めます。
ステップ2:ペルソナを設定しターゲットを具体化する
次に、市場調査の結果をもとに、商品を届けたい理想の顧客像である「ペルソナ」を詳細に設定します。
年齢、職業、ライフスタイル、価値観、情報収集の方法、抱えている悩みなどを具体的に描き出すことで、チーム全体で顧客イメージを共有し、一貫した商品開発やマーケティングが可能になります。
| ペルソナ設定項目 | 設定例 |
| 名前・年齢 | 田中優子(32歳) |
| 職業 | IT企業勤務のマーケター |
| ライフスタイル | 平日は仕事で忙しい。休日はヨガやカフェ巡りを楽しむ。 |
| 価値観 | 環境問題に関心があり、サステナブルな商品を好む。 |
| 肌の悩み | 長時間のデスクワークによる乾燥と、ストレスによる時々の肌荒れ。 |
| 情報収集源 | Instagram、美容系Webメディア、コスメ口コミサイト |
ステップ3:商品の「強み」を明確にしたコンセプトを設計する
ペルソナが抱える悩みを解決できるような、商品の核となるコンセプトを設計します。なぜこの商品がペルソナにとって必要なのか、競合商品と比べて何が優れているのかという「独自の強み(USP:UniqueSellingProposition)」を明確に定義します。
成分、技術、使用感、ブランドストーリーなど、様々な角度から他社にはない魅力を打ち出しましょう。
ステップ4:効果的な販売・プロモーション戦略を立案する
商品コンセプトが決まったら、それをターゲットに届けるための戦略を立てます。オンラインストアで販売するのか、実店舗に卸すのか。SNSで認知を広げるのか、Web広告を出すのか。
ペルソナの情報収集行動に合わせて、最適な販売チャネルとプロモーション手法を組み合わせることが重要です。
ステップ5:発売後の分析と改善を繰り返す
商品を発売したら終わりではありません。売上データや顧客からのフィードバック、SNSでの口コミなどを収集・分析し、商品の改善や次のマーケティング施策に活かしていくことが重要です。
このPDCAサイクルを回し続けることで、ブランドは成長し、長期的に愛される商品へと育っていきます。
失敗しない化粧品OEMメーカー選びの4つのポイント

売れる商品を作るためには、信頼できるOEMメーカーとのパートナーシップが不可欠です。しかし、数多くあるメーカーの中から、自社に最適な一社を見つけるのは簡単ではありません。
ここでは、メーカー選びで失敗しないためにチェックすべき4つの重要なポイントを解説します。
ポイント1:作りたい商品の実績が豊富か
まず確認すべきは、自社が開発したい商品カテゴリ(スキンケア、メイクアップ、ヘアケアなど)におけるメーカーの実績です。その分野での開発実績が豊富であれば、専門的な知見や最新のトレンド情報に基づいた的確な提案が期待できます。
メーカーのウェブサイトで過去の実績を確認したり、商談の際に具体的な事例を尋ねたりしてみましょう。
| 確認するべき実績の例 | |
| 開発実績 | 自社が作りたい商品と類似したアイテムの開発経験があるか |
| 技術力 | 独自原料や特殊な製法など、差別化に繋がる技術を持っているか |
| トレンド把握力 | 最新の市場トレンドを理解し、商品企画に反映させる能力があるか |
| 薬機法対応 | 適切な広告表現など、法律に関する知識やサポート体制があるか |
ポイント2:小ロットからの対応は可能か
特に初めて化粧品事業に参入する場合、最初から大量生産するのはリスクが大きいです。まずは小ロット(少ない生産数)で製造し、市場の反応を見ながら追加生産を検討するのが賢明です。
メーカーによっては最低発注数(ミニマムロット)が大きく、小規模なスタートには向かない場合もあります。自社の事業計画に合ったロット数に対応可能か、事前に必ず確認しましょう。
ポイント3:企画から販売までサポート体制は充実しているか
化粧品開発には、商品企画、処方開発、容器選定、デザイン、製造、薬事申請、販売戦略立案など、多くの工程が必要です。化粧品ビジネスの経験が浅い場合、これらの工程をワンストップでサポートしてくれるメーカーは非常に心強い存在です。
どこまでの範囲をサポートしてくれるのか、その充実度も重要な選定基準となります。
ポイント4:コミュニケーションが円滑に進むか
OEMメーカーは、数ヶ月から時には1年以上にわたって付き合う重要なビジネスパートナーです。担当者との相性や、レスポンスの速さ、提案の質など、円滑なコミュニケーションが取れるかどうかは、プロジェクトの成否を大きく左右します。
打ち合わせの際に、こちらの意図を正確に汲み取ってくれるか、親身に相談に乗ってくれるかなど、信頼関係を築ける相手かしっかりと見極めましょう。
まとめ

化粧品OEMで商品が売れない原因は、市場調査不足、曖昧なターゲット設定、弱いコンセプト、不適切なマーケティング、そしてOEMメーカー選びの失敗に集約されます。これらの失敗を避けるためには、徹底した事前準備と戦略的なアプローチが不可欠です。
成功への道は、市場を深く理解し、具体的な顧客像を描き、他社にはない独自の強みを持つコンセプトを設計することから始まります。そして、その魅力をターゲットに確実に届けるための販売戦略を実行し、信頼できるOEMメーカーと二人三脚でプロジェクトを進めることが成功の鍵となります。
本記事で解説したステップとポイントを参考に、あなたのブランドを成功に導いてください。
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