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化粧品OEMでオリジナルブランドを立ち上げる際、製品の中身はもちろんのこと、「容器」の選定もブランドの成功を大きく左右する要素です。
しかし、いざ容器を選ぼうとすると、「どんな種類があるの?」「何を基準に選べばいいの?」など、様々な疑問が出てくるのではないでしょうか。
この記事では、化粧品OEMにおける容器選びの基本から、具体的な選定ポイント、代表的な素材や形状、さらにはよくある質問まで、網羅的に解説します。
化粧品OEMで容器が重要視される理由とは?

化粧品OEMにおいて、容器は単なる入れ物以上の意味を持ちます。ブランドの価値を高め、消費者に選ばれる商品となるためには、容器選びが極めて重要です。
その主な理由を3つの観点から見ていきましょう。
ブランドイメージを左右する第一印象
容器は「商品の顔」です。消費者が商品に触れる際、まず視覚情報として容器のデザイン、色、形、素材感がブランドの第一印象を形成します。
例えば、高級志向のブランドなら重厚なガラス容器、ナチュラル系ならシンプルなデザインがブランドイメージと合致するでしょう。容器はブランドの世界観を視覚的に表現し、ターゲット顧客に響く力を持っています。
製品の品質を守る保護機能
化粧品は光、熱、酸素などで変質しやすいデリケートな製品です。容器には内容物を保護し、品質を安定して維持する重要な役割があります。
紫外線に弱い成分には遮光性容器を、酸化しやすい製品にはエアレス容器を選ぶなど、内容物の特性に応じた選定が不可欠です。
適切な容器は製品の安全性を確保し、顧客の信頼に繋がります。
顧客満足度につながる使用感
容器の「使いやすさ」も顧客満足度に大きく影響します。ポンプ式なら適量を衛生的に取り出せ、チューブ式なら最後まで使い切りやすいでしょう。キャップの開閉、持ち運びやすさなどもポイントです。
どんなに良い中身でも、容器が使いにくければ顧客はストレスを感じ、リピートに至らない可能性もあります。快適な使用感の容器はブランドへの愛着を育みます。
化粧品容器の主な調達方法と特徴
化粧品OEMで容器を準備するには、主に「化粧品OEMメーカーに一括で依頼する」方法と、「容器専門業者から自社で手配する」方法の2つがあります。
それぞれの特徴を理解し、自社に合う方法を選びましょう。
化粧品OEMメーカーに一括で依頼する
OEMメーカーに容器調達も任せる最大のメリットは、手間と時間の大幅な削減です。特に初めて化粧品開発を行う場合やリソースが限られる場合に有効です。既存容器なら初期費用も抑えられます。
一方、選択肢が限られたり、コストが割高になったりする可能性も考慮が必要です。提案可能な容器の種類や費用内訳を事前に確認しましょう。
特徴 | メリット | デメリット | 注意点 |
OEMメーカーへの一括依頼 | ・手間削減 ・ワンストップ ・初期費用抑制(既存型) | ・選択肢限定の可能性 ・中間マージン ・自由度低い場合あり | ・提案容器の種類確認 ・費用内訳明確化 ・密なコミュニケーション |
容器専門業者メーカーから自社で手配する
自社で容器ディーラーやメーカーから直接調達すると、選択肢が格段に広がり、オリジナリティを追求できます。デザインや素材にこだわりたい場合に有効です。
しかし、選定から品質・納期管理まで全て自社で行うため、専門知識と手間がかかります。信頼できる業者を選定し、OEMメーカーとも連携してロットや納期、品質基準を明確にすることが重要です。
特徴 | メリット | デメリット | 注意点 |
自社での容器手配 | ・選択肢豊富 ・デザイン自由度高 ・オリジナリティ追求 | ・手間/時間 ・専門知識 ・品質/納期管理責任 ・バルク相性テスト必要 | ・信頼できる業者選定 ・OEMメーカー連携 ・ロット/納期/品質基準明確化 |
化粧品OEMで後悔しない容器選びの7つのポイント

化粧品OEMの容器選びで後悔しないために、押さえておくべき7つの選定ポイントを解説します。
これらを参考に、最適な容器を見つけましょう。
ポイント1:化粧品の中身との相性を確認する
容器と化粧品の中身(バルク)の相性は最も重要です。成分によっては容器素材を溶かしたり変質させたりする可能性があります。
また、粘度と容器形状が合わないと使用感も低下します。必ず事前に内容物情報を伝え、適合性テストを実施しましょう。
ポイント2:ブランドコンセプトを体現するデザインを選ぶ
容器はブランドの世界観を伝える要素です。
ターゲット顧客やブランドのストーリー、商品のコンセプトを明確にし、それを体現できるデザイン(色、形、質感、ロゴなど)を選びましょう。細部へのこだわりがブランドの個性を際立たせます。
ポイント3:使いやすさと機能性を追求する
使いにくい容器は顧客満足度を下げます。
キャップの開けやすさ、中身の取り出しやすさ、持ち運びやすさなど、顧客が日常的に使うシーンを想定し、機能性を追求しましょう。
美容液ならスポイト式、クリームならスパチュラなども検討ポイントです。
ポイント4:容器の素材の種類と特性を理解する
化粧品容器にはプラスチック、ガラスなど多様な素材があります。プラスチックは軽量で加工しやすく安価ですが、種類により耐薬品性や高級感に差が出ます。
ガラスは高級感があり保護性に優れますが、重く割れやすいです。素材の特性を理解し、総合的に比較検討することが重要です。
ポイント5:容器の形状の種類と特性を把握する
容器の形状もボトル、チューブ、ジャーなど多岐にわたります。
それぞれの形状が持つ特性(例:チューブは絞り出しやすい、エアレスポンプは酸化を防ぐ)を理解し、内容物の種類や使用方法、ブランドイメージに最も適した形状を選びましょう。
ポイント6:ロット数とコストのバランスを検討する
容器製造には最小発注ロット数(MOQ)があります。
オリジナル金型はMOQが大きく初期費用も高額になりがちです。規格品なら小ロット対応可能でコストも抑えられます。販売計画や予算と照らし合わせ、ロット数とコストのバランスを慎重に検討しましょう。
ポイント7:納期や納品までのスケジュールを確認する
容器の選定から納品までには数週間から数ヶ月かかることもあります。特に海外生産は輸送期間も考慮が必要です。
発売スケジュールから逆算し、容器の納期を確認しましょう。予期せぬ遅延も考慮し、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
化粧品容器の代表的な素材と特徴

容器選びでは素材の知識が欠かせません。
代表的な素材であるプラスチック、ガラス、金属、そしてエコ素材について特徴を解説します。
プラスチック容器の種類と特徴(PET、PE、PPなど)
プラスチックは軽量で衝撃に強く、加工が容易で比較的安価なため、化粧品容器で最も広く使用されます。
代表的なものに、透明度が高く、ガスバリア性の高いPET(ポリエチレンテレフタレート)、耐薬品性が高く、柔らかいPE(ポリエチレン)、耐熱性があるPP(ポリプロピレン)などがあります。
種類によって特性が異なるため、内容物との相性や求める機能に合わせて選定が必要です。
ガラス容器の特徴と魅力
ガラス容器は重厚感と透明感から高級感を演出しやすく、ブランドイメージを高めたい製品に適しています。
化学的に安定し内容物に影響を与えにくく、ガスバリア性も高いため、香水や美容液などの品質保持に適しています。
リサイクル性に優れる点も魅力です。デメリットは、重く割れやすい点、コストが比較的高くなる点です。
金属製容器(アルミなど)の特徴
アルミなどの金属製容器は、チューブやエアゾール缶などに使用されます。軽量でありながら遮光性や密閉性に優れ、内容物の酸化や光による劣化を防ぐ効果が高いのが特徴です。
独特の光沢感は高級感や専門性を演出します。ただし、コストが高めであることや、凹みやすいといった側面もあります。
環境に配慮したエコ素材の容器
近年、SDGsへの関心の高まりから、環境に配慮したエコ素材の容器が注目されています。
再生PET、植物由来のバイオマスプラスチック、適切に管理された森林資源から作られるFSC認証紙などがあります。環境負荷の低減に貢献し、企業の社会的責任を示すことに繋がります。
ただし、コストや機能面で制約がある場合もあるため、ブランド理念と製品特性を考慮して選択しましょう。
化粧品容器の主な形状と用途

容器の形状は使いやすさや化粧品の種類と密接に関連しています。
代表的な容器の形状と、それぞれの特徴や主な用途を解説します。
ボトル形状の種類と用途(ポンプ、スプレーなど)
ボトルは液体状の化粧品に最もよく使われ、化粧水、乳液、美容液などに多用されます。
吐出口の形状により、一定量を衛生的に取り出せるポンプボトル、広範囲に塗布できるスプレーボトル、少量ずつ正確に取り出せるドロッパーボトルなどがあります。
チューブ形状の特徴と用途
チューブは、クリーム、ジェル、洗顔フォームなど、やや粘度のある製品に使用されます。内容物を押し出して使用するため、最後まで衛生的に使い切りやすく、携帯性にも優れています。
素材はポリエチレン(PE)やバリア性の高いラミネートチューブが多いです。
ジャー形状(クリーム容器)の特徴と用途
ジャーは、クリームやバームなど、粘度の高い固形~半固形タイプの化粧品に適した広口の容器です。
指やスパチュラで直接中身を取るため、開口部が広く設計されています。素材はプラスチック製やガラス製が多く、高級感を演出しやすい形状です。
コンパクト・スティック形状の特徴と用途
コンパクトは、主にパウダーファンデーションやアイシャドウなどの固形メイクアップ製品に使用されます。
鏡やパフを収納できるものが一般的で、携帯に便利です。スティックは、リップスティックやコンシーラーなど、繰り出し式の固形製品に使われる形状で、直接肌に塗布できる手軽さが特徴です。
化粧品容器の価値を高める加飾方法

容器本体を選んだら、次は「加飾」でブランドの世界観をより豊かに表現しましょう。
加飾は容器にデザインを施し、視覚的な魅力を高める重要な工程です。
印刷(シルク印刷、ホットスタンプなど)
印刷は容器表面にロゴや商品名などを施す代表的な方法です。
シルクスクリーン印刷は鮮やかな印刷が可能で曲面にも対応しやすく、ホットスタンプ(箔押し)は金や銀の箔で高級感を表現できます。オフセット印刷は多色で複雑なデザインに適しています。
塗装・蒸着
塗装は容器表面に塗料を吹き付けて色や質感を表現します。マット調、パール調やグラデーションなど多彩な表現が可能です。
蒸着は金属を容器表面に薄く付着させる技術で、鏡面のような光沢や金属的な質感を出せ、高級感を高めます。
ラベル・シュリンクフィルム
ラベルシールは印刷済みのシールを容器に貼り付ける方法で、多色表現や小ロット対応がしやすいです。
シュリンクフィルムは印刷したフィルムを容器にかぶせて熱収縮させ密着させる方法で、複雑な形状にも対応できデザインの自由度が高いです。
化粧品OEM容器選びに関するよくある質問(Q&A)

ここでは、化粧品OEMの容器選びでよくある質問とその回答をご紹介します。
Q. 小ロットでもオリジナルデザインの容器は作れますか?
A. はい、可能です。完全オリジナル金型は高ロット・高コストになりがちですが、既存容器に印刷やラベルなどの加飾を施すことで、小ロットでもオリジナリティを出せます。多くの業者が対応しているので、まずは相談してみましょう。
Q. 容器のサンプルはもらえますか?
A. はい、多くのメーカーでサンプル提供をしています。規格品は無償または少額で入手できることが多いです。
実物で質感や適合性を確認することは非常に重要なので、必ず行いましょう。加飾サンプルは別途費用と時間がかかる場合があります。
Q. 容器の安全性はどのように確認すればよいですか?
A. メーカーに材質証明書や試験成績書の提出を依頼し、有害物質の有無や関連法規への適合を確認します。
また、化粧品の中身と容器の適合性試験も必須です。信頼できるメーカーを選び、必要な情報をしっかり確認しましょう。
まとめ
化粧品OEMにおける容器選びは、ブランド成功の鍵を握る重要なプロセスです。
この記事で解説したポイントを踏まえ、製品の特性やブランドコンセプトに最適な容器を選び、その魅力を最大限に引き出してください。皆様の商品開発が成功することを心より願っております。
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